所蔵作品検索作家名一覧
作家名索引
ティントレット(本名ヤコポ・ロブスティ) / Tintoretto (Jacopo Robusti) [ ヴェネツィア , 1518年 - ヴェネツィア, 1594年 ]
- ≫ 作家について
-
ヴェネツィアに生まれ、ヴェロネーゼとともに16世紀後半のヴェネツィア派を代表する画家。父ジョヴァンニ・バッティスタ・ロブスティは染物師(ティントーレ)であった。そのためティントレット(小染物師)と呼ばれた。彼の若い頃の経歴を伝える正確な記録はほとんど残されていない。17世紀の伝記中では、ほんの僅かの間ティツィアーノ(1488/90-1576)のアトリエで修業したとされているが、彼の初期の作品には、他のマニエリスティックな傾向をもつ画家たち、スキアヴォーネ(1503頃-1563)、ポルデノーネ(1483-1539)、あるいはボニファツィオ・ヴェロネーゼ(1487頃-1553)などの影響が現われている。年代のはっきりとしている初期の代表作に、ヴェネツィアのサン・マルクオーラ聖堂のために描いた《最後の晩餐》(1547年)、スクオーラ・グランデ・ディ・サン・マルコのための「聖マルコの奇蹟」連作の第一作《奴隷を救出する聖マルコ》(1548年)があり、これらの作品において、彼は既に独自の個性的な様式を達成している。激しい明暗の効果を示す超現実的な光線、また渦巻くような群像構成と大胆な短縮法を駆使して、壮大かつ劇的な画面を創造したのであった。ティントレットは、その精力的で多作な生涯のほとんどをヴェネツィアで過ごし、この町の数多<の聖堂などに夥しい数の作品を遺し、その主題も宗教画、神話画、肖像画など多岐にわたっている。中でも重要なものとして、今なお当時のまま遺されているスクオーラ・ディ・サン・ロッコの大小50点に及ぶ壁画、天井画(1564-67年、75-81年、83-87年の三度にわたって制作)が挙げられる。また最晩年の代表作に、サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂の《最後の晩餐》(1592-94年)がある。
(出典:国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2006., p. 165)
1件のうち 1~1件めを表示