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ダニエル・セーヘルス / Daniel Seghers [ アントウェルペン , 1590年 - アントウェルペン, 1661年 ]
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ダニエル・セーへルスは、ヤン・ブリューゲル(通称ビロードのブリューゲル)とともに、17世紀フランドルの代表的な「花の画家」に数えられる。1605年から画家として修業を始めたことが知られ、1610年頃にはヤン・ブリューゲルのアトリエに入り、その指導を受けたものと推定される。
その後彼の影響の下にイエズス会に入会し、フランドル各地を旅したのち、1625-29年にはローマに滞在したが、これは彼の画風にはほとんど影響を及ぼさなかった。帰国後は歿年までアントウェルペンで制作し、「花の画家」として大いに名声を博した。彼の作品はイエズス会を通じて広く貴顕の知るところとなり、当時の神聖ローマ皇帝やイギリス国王などもアントウェルペンの彼のアトリエを訪れたことが知られている。彼は師ブリューゲルのみごとな質感表現と洗練された色感を継承しながら、師の花が単に装飾的な花環であったのに対し、「だまし絵(トロンプ=ルイユ)」の効果を狙って、カルトゥッシュ(枠どり)の上に花をいくつかのグループに分けて配するという独自の形式をうち立てた。彼の作品の多くは聖母子像であるが、この中で人物はコルネリス・スフート、エラスムス・クエリヌス、そして時にはルーベンスによって描かれた。
(出典:国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2006., p. 164)
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