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作家名索引
ジョヴァンニ・セガンティーニ / Giovanni Segantini [ アルコ , 1858年 - シャーフベルク, 1899年 ]
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北イタリアのトレントに近いアルコ(当時はオーストリア領)に生まれた。早くからミラノに出て、一時期を少年院で送るなどさまざまな苦しい生活をしたのちブレラ美術学校に入る。1879年に《サン・アントニオ聖堂の聖歌隊席》で最初の成功を得、画家であり批評家のグルビシーの援助を受けて絵画に専念できるようになった。だが憂鬱でロマンティックな気質故に、彼は都会を離れて家族とともにミラノの北のコモ湖に近いブリアンツァ地方に移り住み、1883年には《湖を渡るアヴェ・マリア》(ザンクト・ガレン、セガンティーニ財団蔵)でアムステルダム万国博美術展の金メダルを獲得した。さらに彼は故郷を象徴する清浄な空気、明るい太陽、鮮明な色彩を求めて、湖水地方からアルプス地方へと居を変え、高原を舞台とした農牧民の生活を生涯描き続けた。描法は初期の写実主義から次第に緻密な筆触による印象派風のものに発展して、アルプスの輝きを捉えるが、そこには印象派にはみられぬ独自な装飾性と幻想性がともなっている。《生の天使》(ミラノ近代美術館)や三部作《自然、生、死》(サンモリッツ、セガンティーニ美術館)などの傑作を遺し、オーストリア・アルプスのシャーフベルクの山小屋で制作中に倒れ、41歳で歿した。
(出典:国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2009., p. 164)
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