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ピエール=オーギュスト・ルノワール / Pierre-Auguste Renoir [ リモージュ , 1841年 - カーニュ=シュル=メール, 1919年 ]
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リモージュに仕立屋の子として生まれる。3歳の時に一家と共にパリに出て、13歳で陶器絵付師の徒弟となった。以後、工芸、装飾関係の仕事をしたのち、20歳で美術学校のシャルル・グレールの画塾に入った。そこでバジール、モネ、シスレーらと知り合い、やがて、それら若き画家たちのグループは、カフェ・ゲルボワの集いから印象派へと発展して行く。その中でルノワールは、風景画とともに人物画にも興味を示し、多くの肖像画を制作したり、戸外で余暇を過ごすパリ市民の姿を明るい陽光と陰影の戯れの中に描き出したりした。1880年代に転機を迎え、イタリア旅行でルネッサンス美術に感銘を受けたこともあって、硬い輪郭線と控えめな色調を特徴とする、いわゆる「酸っぱい様式の時代または「アングル時代」と呼ぼれる時期に入る。しかし、1880年代末には次第にその様式から脱し、豊かな色彩を湛えた「真珠色の時代」へ進む。以後ルノワールは、生涯にわたって、裸婦やその他の婦人像を制作の中心に捉え、暖色を主とした躍動的なタッチを用いて、女性の持つ豊かさ、暖かさの表現に集中した。晩年はリューマチを患い、手足が不自由となったが、制作力は衰えず、南仏カーニュに住んで、女性像の追求を続けた。風景画を中心とした印象派の中にあって、ルノワールはドガと並んで、人間の世界に大きな興味を注いだ巨匠であったが、ドガが冷静な観察者であったのに対し、ルノワールは常に、モデルの熱い生命力を色彩とタッチの躍動によって伝えようとした画家である。
(出典:国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2009., p. 176)
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