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作家名索引
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ / Pierre Puvis de Chavannes [ リヨン , 1824年 - パリ, 1898年 ]
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リヨンの裕福な家庭に生まれた。厳格な教育のもとに少年時代を過ごしたのち、理工科学校へ進もうとしたが病を得て、イタリアで静養する。この地で画家としての天職にめざめ、パリに戻ると、アリ・シェフェールのアトリエに入った。次いでドラクロワ、クーテュールなどのアトリエでも学び、当時の画壇のさまざまな流れの中に身を置いた。二度目のイタリア旅行に際しては、ピエロ・デッラ・フランチェスカや、ポンペイの壁画に感銘を受けている。やがて1850年、《ピエタ》でサロンにデビュー、以後1859年に至るまで毎回落選を続けたものの、1861年に発表されてまもなくアミアン美術館に収蔵された《平和(コルコンディア)》、《戦争(ベルム)》を始めとする一連の大構図装飾画は、画家のこの分野における存在を世に知らしめることとなった。続いて、マルセイユ市のための《東方の門》(1869年)、リヨン市のための《聖なる森》(1884-86年)、パリ大学ソルボンヌ講堂装飾(1887-89年)、パリ市庁舎装飾(1891-93年)、パンテオンに描いた「聖ジュヌヴィエーヴの生涯」(l875-77年、1897-98年)などの、公共記念建築物を飾る諸作品を制作。古典古代に発したルネッサンスにおいて頂点を極めた壁画の伝統を現代に復活させた画家として、ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの名声は確立した。アカデミー系の批評家からは悪評を蒙ったものの、どの作品にも共通してみられる古典古代を彷彿とさせる静謐な抒情と詩的な感興に溢れた情景は、1880年代前後を中心とする象徴主義の時代思潮の中で、多くの画家、文学者たちに影響を与えた。1890年代にはソシエテ・ナシオナル・デ・ボザールの設立に参加している。
(出典:国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2009., p. 168)
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