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アンソニー・ヴァン・ダイク / Anthony van Dyck [ アントウェルペン , 1599年 - ロンドン, 1641年 ]
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アントウェルペンの富裕な商人の子として生まれたアントニス・ファン・ダイク(英名アンソニー・ヴァン・ダイク)は、10歳の時に画家へンドリク・ファン・バーレン(1575-1632)のもとに弟子入りし、1615/16年には早くも自分の工房を構えていた。同地のサン・ルカ画家組合に登録されたのは1618年であるが、この頃彼は助手としてルーベンスの仕事を手伝っている。1620年から21年にかけて数ヶ月ロンドンに滞在したのちイタリアに行き、1627年までの7年間、ジェノヴァ、ローマ、フィレンツェなど各地を旅して、ルネッサンスの巨匠たち、とりわけティツィアーノ、ヴェロネーゼを研究し、肖像画家としての輝かしい経歴の基礎を築いた。1627年アントウェルペンに戻り、同地およびその周辺の教会のために宗教画を描く一方、市民階級やブリュッセル宮廷の貴族をモデルに数多くの肖像画を制作した。この頃から彼は当時の著名人たちの肖像画の版画化に着手し、これは『肖像百選(イコノグラフィー)』と題されて、彼の死後1645年にアントウェルペンで出版された。
1632年再びロンドンに渡り、チャールズ1世の宮廷画家となり、1641年に歿するまで、短期間のフランドル滞在を除けばイギリスに留まってチャールズ1世や王妃ヘンリエッタ・マラリアの肖像をはじめとする王侯貴族の一連の肖像画の傑作を残した。彼はモデルの地位にふさわしい理想化された優雅な表現をとりながらも、心理描写に絶妙な冴えを見せ、宮廷肖像画の分野に一つの頂点を築いた。彼の作品は各国の宮廷で大いに好評を博し、特にレノルズ、ゲインズボローら18世紀の英国肖像画に絶大な影響を及ぼした。
(出典:国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2009., p. 164)
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