国立西洋美術館 The National Museum of Western Art

更新日 2025.04.07 | 07 April 2025

現在は展示していません

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現在は展示していません。

ジャン(ハンス)・アルプ

1887年 - 1966年

Jean (Hans) ARP

1887 - 1966

輪-森 Ring - Forest

制作年 1961年
材質・技法・形状 ブロンズ
寸法(cm) 86 x 98 x 20.5
所蔵経緯 山村徳太郎氏より寄贈
分類 彫刻
所蔵番号 S.1967-0003

アルプが本格的に彫刻を制作するのは、第二次世界大戦後である。いわゆる抽象彫刻だが、彼の用いる形象は無機的な幾何学的形象ではなく、何らかの生命体への連想を拒否しない有機的な形象である。ダダやシュルレアリスムへの運動の中で活躍したアルプは、形態や構成の完璧さよりも、それらの象徴的側面を重視したのである。彼の彫刻は、その周りを巡って見るように作られたものと、平面的なものとに大別されるが、後者は彼のレリーフから派生したものと考えられる。「森の輪」の連作もその一例である。1960年頃、彼はこの方法により「門口」の連作を始める。「門口」は「出発点」でもあり、それは新たな空間への出発点である。平面的形態は空間を遮るが、そこに開けられた窓が、私たちの意識を向こう側に開けた空間(新たな世界)へ誘う。作品の有と無(あるいは正と負)の形が、その世界の特徴を暗示する。「森の輪」もこのような空間理念を継承している。これは、森に住むサテュロスのための遊戯具であるという。不定円形の輪は森を象徴し、その中に開けられた窓は、何らかの動物を暗示する(本作品の場合は鳥であろうか)。ここでアルプが意図しているのは、有と無の概念の逆転である。つまり空間である森が物体で表わされ、森の中の存在である鳥やその他の動物が空虚で表わされる。アルプはこれによって、日常的な空間と物体あるいは有と無の概念を超越した認識に、私たちを導こうとしているのである。(出典: 国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 1989. cat. no. 146)

来歴

Donated by Mr. Tokutaro Yamamura.

文献歴

1968
国立西洋美術館年報. No. 2 (1967), 1968, 新収作品目録. pp. 104-105, no. S-76. repr.

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Jean (Hans) ARP

1887 - 1966

Ring - Forest

Date 1961
Materials and Techniques bronze
Size(cm) 86 x 98 x 20.5
Credit Line Donated by Mr. Tokutaro Yamamura
Category Sculptures
Collection Number S.1967-0003

Provenance

Donated by Mr. Tokutaro Yamamura.

Bibliography

1968
Annual bulletin of the National Museum of Western Art. No. 2 (1967), 1968, Catalogue of the New Acquisitions. pp. 104-105, no. S-76. repr.

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パーマリンク:https://collection.nmwa.go.jp/S.1967-0003.html

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