更新日 2021.11.24 | 24 November 2021
現在は展示していません

現在は展示していません。
Félix Régamey
1844 - 1907
日本の日常生活について講演するレガメ Félix Régamey gives lecture on the daily life of Japanese people
制作年 | 1891年 |
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材質・技法・形状 | グワッシュ、紙 |
寸法(cm) | 38.8×38.2 |
署名・年記 | 中央下に署名と年記: Félix Régamey_91 |
所蔵経緯 | 高橋明也氏より寄贈 |
分類 | 素描 |
所蔵番号 | D.2006-0002 |
画家、挿絵画家フェリックス・レガメ(パリ 1844-パリ 1907)は1870年代にアメリカに渡り、シカゴでデッサン教育の改善に取り組むが、早くから日本への関心も抱いていた。(1) 1876年のフィラデルフィア万国博覧会ではリヨンの実業家エミール・ギメと出会い、フランスの文部省から極東の宗教調査を依頼されたギメとともに、記録画家として開国間もない日本へ旅立つことになる。1876年(明治9)8月、日本に到着した彼らはまず横浜に滞在し、東京から京都へ向かう。伊勢、大阪、神戸を通り、その後、中国、インドを経て翌1877年3月頃に帰国する。この旅でレガメは芝居小屋や寺社の光景、庶民の暮らしなどを生き生きとしたスケッチに残した。パリの週刊新聞『ル・モンド・イリュストレ(絵で見る世界)』誌(2) の1877年3月31日号には早くも、フランスからの宗教調査使節のために伊勢神宮で披露された舞を描いたレガメのスケッチが掲載されている。帰国後の1878年には、ギメとレガメはそれぞれ文章と挿絵を分担して『日本散策』(3) を出版する。また1878年のパリ万国博覧会ではギメが持ち帰った東洋の品々が展示され、調査の成果が披露された。(4) その後も2人は各地で日本文化を紹介するが、レガメは会場でスケッチを描いてギメの講演を補完したといわれる。(5) 本作品はそうした様子を描いたものと考えられる。満員の聴取の前、レガメが壇上で描いている日本の情景の絵は、本作品が制作されたのと同じ1891年に出版されたレガメ著『実用日本』(6) のなかに挿絵として入っている。一見、祖母と母子が鳥を放って遊んでいるようだが、同書によると、日本の寺院では門のそばに鳥籠を前にした老女がいて子供は小銭と引き換えにその籠の鳥を1羽自由にしてやり善行を積むのだという。挿絵のタイトルは「子供の祈願」である。レガメはその後も日本を紹介する数々の出版物を出し、1900年にはパリ日仏協会を設立、ギメが副会長、自らは事務局長に就任する。一方、ギメがアジアから持ち帰った大量の仏像は、現在では通称ギメ美術館として日本でもよく知られるフランス国立東洋美術館の母胎となった。 (1) レガメ、およびギメとの日本への調査旅行については以下を参照。尾本圭子・フランシス・マクワン『日本の開国 エミール・ギメ あるフランス人の見た明治』創元社、1996年。レガメは1899年にもパリ市のデッサン教育の視学官として美術教育の調査のため日本を再訪している。 (2) 同紙に掲載されたレガメ関係の挿絵については、『「ル・モンド・イリュストレ」日本関係さし絵集』横浜開港資料館、1988年を参照。 (3) Emile Guimet, Promenades japonaises...dessins d’après nature...par Félix Régamey, Le Japon pratique, Paris, G. Charpentier, 1878-83,Ⅱ vols. (4) 尾本前掲書、97頁. (5) 尾本前掲書、104-105頁。 (6) Felix Régamey, Le Japon pratique, Paris, J. Hetzel et Cie, 1891.(出典: 開館50周年記念 所蔵水彩・素描──松方コレクションとその後. 東京, 国立西洋美術館, 2010. cat. no. 15、一部文言修正)
来歴
Gérard & Danny Bloch; donated by Mr. Akiya Takahashi
展覧会歴
- 2010
- 所蔵水彩・素描展―松方コレクションとその後, 国立西洋美術館 版画素描展示室, 2010年2月23日-2010年5月30日, cat. no. 15
文献歴
- 2001
- Macouin, Francis; Omoto, Keiko. Quand le Japon s'ouvrit au monde. Paris, 2001, pp. 100-101.
- 2008
- 国立西洋美術館年報. No. 41 (Apr. 2006-Mar. 2007), 2008, 新収作品一覧. p. 46.

Currently not on display
Félix Régamey gives lecture on the daily life of Japanese people
Date | 1891 |
---|---|
Materials and Techniques | gouache on paper |
Size(cm) | 38.8×38.2 |
Inscriptions | Signed and dated lower center: Félix Régamey_91 |
Credit Line | Donated by Mr. Akiya Takahashi |
Category | Drawings |
Collection Number | D.2006-0002 |
Provenance
Gérard & Danny Bloch; donated by Mr. Akiya Takahashi
Exhibition History
- 2010
- Modern Drawings from the National Museum of Western Art: Selections from the Matsukata Collection and Post-1959 Acquisitions, National Museum of Western Art, Tokyo, 23 February 2010 - 30 May 2010, cat. no. 15
Bibliography
- 2001
- Macouin, Francis; Omoto, Keiko. Quand le Japon s'ouvrit au monde. Paris, 2001, pp. 100-101.
- 2008
- Annual bulletin of the National Museum of Western Art. No. 41 (Apr. 2006-Mar. 2007), 2008, List of New Acquisitions. p. 46.